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しがないオタクの戯言

2019年11月15日に想いを馳せる

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遡ること1年前。私は北の大地、北海道にいた。

 

ARASHI Anniversary Tour 5×20

2019年札幌公演

 

私にとって一生忘れられない思い出になった大切な大切な公演だ。

1年経った今、思い出深い旅を文字に残しておきたいと思い、ここに書き記す。

 

まずはこの日に至るまでの経緯を含め、話そうと思う。

 

私は関西出身で現在関東在住の身。

京セラドームにも、東京ドームにも自宅から行けたから、これまで遠征というものを経験したことがなかった。

友達と参戦したいな~と調子乗って二人で応募する度、落選の文字を叩きつけられてきた私はとにかく当たることだけを考え、え~い学生の特権だ!といわんばかりに「いつでもどこでもよい」にまでチェックを入れてしまった。そう、入れてしまったのだ(フラグ)

 

2019年3月1日。

皆さんご存じ5×20 and more第1回当落発表日だ。

期待してはいけない…いけないと思いつつ期待に胸を膨らませながら、薄目で見た当落画面。

 

その他当選

 

その他…?当選?てなんだ…??

頭の中?がいっぱい。混乱状態。

 

まあつまるところ、いつでもどこでもよいを選択したため11月札幌公演に当選していたということで。え?一回待とう。嵐のライブ時の札幌行き飛行機と宿戦争は壮絶だと聞いているが…私ヒトリ。ヒトリデホッカイドウ…ナニモワカラナイヨ…(謎のカタコト)

 

一刻を争うことは薄々気づいていたが、どうしていいか分からずぼーっとTwitterを眺めていた。その時、私は見つけてしまった。リア垢で同じく櫻井担の同級生が「どこでもいいで札幌当選だ~」と呟いているのを。私は思わず「え!何日?」とリプした。なんとその友人も私と全く同じ経緯で同日に当選していた。しかもお互い一人参戦。これは運命でしかない。とんとん拍子で入場まで二人で行動することが決まった。

ちなみ飛行機や宿はすべて友人が確保してくれた…持つべきは良い友…ありがたや。

 

迎えた前日11月14日。

12日はあんな衝撃の出来事があったし(詳しくはもう言わないが)、前日にはそれで気が動転したのか家の鍵を失くして、パッキング途中のキャリーも作りかけのうちわも全部そのまま家の外に閉め出された。(自業自得)

 

一抹の不安を抱えながら、札幌へ。

 

新千歳空港に到着、電車に乗り、宿のある駅に辿り着く。

ホームに降り立ったその瞬間、明らかにいつもと違う空気を感じた。

 

さっっっっっっっっっっむ!!!!

 

いや寒すぎんか?空気が冷たいというか痛い…。すみませんなめてました北の大地の寒さを。とりあえず速攻ホテルに避難したが、足元に気を付けてないと間違いなく滑って転ぶのでめちゃめちゃ時間がかかった。

(この辺の寒さの描写は北国に一度も足を踏み入れたことのない初心者の気持ちで見てほしい。異論は受け付ける。)

せっかくこんなところまで来たからと、ジンギスカンを食べに外に出たりもしたが、猛吹雪すぎてもう凍るかと思った。

 

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ただ肉は猛烈に美味かった。

 

その日はVS嵐デビュー20周年記念3時間SPの放送日。二十嵐を楽しく見つつ、来る明日に向けその日は眠りについた。

 


そして来たる11月15日

 

櫻井担が二人集まれば、「旅行は遊びじゃないぜ!」となるのも致し方ないことだ。開演前までの時間を有効的に使おうと、朝っぱら起きて海鮮丼を食べに行ったりしたが何しろこの日も猛烈に寒かった。足先が凍りそうだったので、さすがの私たちもホテルに戻って足湯をした。

 

開場時間を迎えるころには辺りも暗くなってきて、昼間若干和らいでいた寒さもまた増してきた。友人は先に入場したが、私は外でグッズを買い、あろうことか外のトイレ列に並んだせいで余計に凍える羽目になった。寒い。入場しようとして傘を閉じようとしたら、凍ってて閉まらなかった。冬の札幌、恐るべし…。


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街灯に照らされた雪がお分かり頂けるだろうか…?その奥に薄っすら見えるのが札幌ドーム(この至近距離にしてもはや霞んで見える)

 

そんなこんなで初めて入った札幌ドーム。東京ドームや京セラは一階、二階とスタンドが分かれているのに対して、札幌ドームはすり鉢状にスタンドが広がっていて動員数の割にすごく端から端までが近く、また一体感を感じた。これはクセになりそう。

 

そわそわ落ち着きなく、辺りを見回すうちに、とうとう迎えた開演時間。

 

重低音からはじまるあの極めてシンプルなつくりのオープニングは何故あんなにも人を引き付けるのだろう。気が付けば溢れ出た涙が止まらなくて。目の前に現れた夢の世界に釘付けになった。

 

私も友人もand more以前の公演は落選だったため、5×20の参戦はこの日が初めてで。11月3日に満20年を迎え、これから果敢にも新しいことに挑んでいく嵐を祝い、応援することができて本当に幸せだった。

心なしか客席からの声援もいつもより大きい気がして。

嵐からファンへ送られる無償の大きな愛に包まれ、誰もが笑顔になる。この時だけは、ここにいる誰もが同じ夢の中にいる。

 

極寒の札幌はすごく温かく優しい気持ちに包まれた地だった。

 

興奮冷めやらぬまま、友人と語り尽くしながら帰途についた。さすが同じ櫻井担、見ているところも感じたことも似通っていてすごく盛り上がったことをよく覚えている。

 

正直札幌に行くまでは、何もなく東京で当選していればこんな苦労もせず、お金と時間を使うこともなかったと心のどこかで思っていたところがあった。だが、今では札幌で良かった、札幌でないとこの深い思い出はつくれなかったと思う。

「おうちに帰るまでが5×20ですよ」

嵐のライブでは気をつけて帰るんだよ!とセットでよく耳にするおうちに帰るまでが〇〇シリーズ。これは本当におっしゃる通りで。おうちを出てから、おうちに着くまでの様々な出来事も付随し、それひっくるめた上でその人にとってのライブの思い出は成立するのだ。

その点からいうと、冬の極寒の札幌という非日常的体験は同じく非日常的であるライブに付随する記憶としてうってつけだった。家を出てから帰宅までの三日間。そのすべてが夢で、幻だったかのような。だけど、消えることなくいつまでもキラキラ輝いて私の心の中に光を灯し続けている。

 

私はそれから四か月後、年が明けて三月に大学を卒業した。

オタ活ばかりに精を出し、大学生らしい思い出などほとんどなかった私の中で、この体験は大学四年間の集大成、一番の思い出になった。櫻井翔という人物に憧れ続け、短いながらその背中を追ってきた私の人生においても、ある意味ここは目的地の一つだったと言えるだろう。

そんな大切な大切な思い出を私はこの日つくることができた。

 

 

これを書いている現在、北海道ではコロナ感染者が増え、予断を許さない状況が続いている。1年前、私たちを温かく出迎えてくれた札幌の人たちは無事だろうか…?とニュースを見ながら考える。


街中に嵐のツアーバックを持った人が行き交い、民族大移動かのようにドームを目指して進んでいく。

あの一見異様な光景が私は大好きだ。みんなそれぞれどんな想いでここに集ってくるのか、何を思い何を感じるのか?気になってワクワクしてしまう。


また同じツアーバックを持った同志たちと共に意気揚々とドームを目指せる日が来る事を、私は願ってやまない。